こころトーク

2020.02.14

第229回 「事前の準備に効果。良くない可能性と対応策を考えよう」

前回は、私の大学受験の失敗体験について書きました。

当然合格できたと思っていた試験に見事に失敗してしまった体験です。

そのとき、受験に失敗したことはもちろんですが、できていないところにきちんと目を向けられていなかったこともまた失敗でした。

いまになって考えると、大学受験で、私はかなり緊張していたのだと思います。

きっと合格するだろうという考えの裏には、失敗したら大変だという恐怖に似た思いがあったのでしょう。

私たちは、そのように怖い思いが強くなると、そこから目をそらして現実を見ないようにします。

見えなければ存在していないのと同じになるからです。

しかし、現実に問題が存在しているときに、それをないことにしてしまうと、さらに問題が大きくなって、傷口を広げてしまうことになりかねません。

そうしたことを防ぐためには、何か大事なことに取りかかろうとしているときには、良くないことが起きる可能性を事前に考えておくようにします。

そして、折々に、そうしたことが起きていないかどうか確認するようにします。

そうすると、想定外の良くない出来事が起きても、問題が大きくなる前に、早めに対応することができます。

認知行動療法の治療でも、何か起きたときの対応策を事前に考えておくことを大切にしています。

面接の中で話しあって、それがうまくいくかどうか確信が持てないときには、ホームワーク(宿題)として、現実の生活のなかで試してもらうようにします。

そのときにも、試すときに障害になりそうなことを想定して、そうした問題が起きたときの対応策を考えておくようにします。

最終回の時には、その後にどのような問題が起きそうかを想像して、そうした問題が起きたときにどのように対応するかを考えます。

もちろん、想定外のことが起きることもあれば、考えておいた対応策がうまくいかないこともあります。

しかし、事前に対応策を考えておけば、いざというときに慌てないですみますし、傷を最小限にとどめることもできます。

そのことがわかっていれば、思い切って行動して、自分の力を最大限に発揮できるようになります。

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