こころトーク

2020.03.06

第232回 「不安が強くなっているときにチェックすべきこととは?」

新型コロナウイルスの感染拡大は心配ですが、いたる所に新型コロナウイルスの情報があふれて、それがさらに不安を強めているような印象を受けます。

不安は、【1】危険を過大評価し、【2】自分の力を過小評価し、【3】周囲からの支援を過小評価したときに強くなります。

このそれぞれの視点から、新型コロナウイルスをめぐる不安について説明します。

まず、「【3】周囲からの支援」ですが、新型コロナウイルスは、インフルエンザと違って治療薬が存在していないという点で、周囲からの支援があまり得られない不安はあります。

ただ、治療法がないのは一般の風邪も同じです。

「【2】自分の力」に関してはどうでしょうか。

マスクが売り切れ状態で、治療薬もないということですので、自分でできることに限りがあるのは事実です。

しかし、栄養と睡眠を十分にとって体力をつけたり、つり革やエレベータのボタンなど人が触る可能性があるものに触るときにはティッシュやハンカチを使い、手洗いやうがいをきちんとしたりすることは十分できます。

今年インフルエンザにかかった人の数が減っているということから見ても、いま私たちが行っている防御法に一定の効果があることがわかります。

最後に、「【1】危険の評価」はどうでしょうか。

未知のウイルスということで最初は身構えましたが、感染しやすいがインフルエンザほどの強さはないことがわかってきました。

ただ、亡くなった人の報道が多いので、とても怖いウイルスのように思ってしまいますが、高齢であったり持病があったりしなければ、重症になる人の割合は低いようです。

このように、事実がわかってくれば不安は和らいできます。

ここで大事なのは、不確実な情報に左右されないで、正確な事実に目を向けることです。

私は、以下のようなファクトチェック(事実確認)のサイトを利用しています。

・事実情報まとめ(ファクトチェック・イニシアティブ)
https://fij.info/coronavirus-feature/national

・ファクトチェック(INFACT)
https://infact.press/2020/03/post-5006/

また、ストレスマネジメントネットワークのホームページでも公開しましたが認知行動療法を基礎にしたチャットボットを無償で公開することにしました。

◎「こころコンディショナー」
https://carechat-demo.kiku-hana.jp/

チャトボットというのはおしゃべりロボットという意味で、スマートフォンの画面上で対話できるようになっています。

まだパイロット版で不十分なところもあるのですが、こころを整えるのに使っていただければと考えています。

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