コロナウイルス感染症のために、私が住んでいる東京では週末や夜の外出の自粛が要請されています。
在宅勤務を行う企業も増えてきています。
そうなると自宅で生活する時間が長くなってくるのですが、一人で生活している人も、家族と一緒に生活している人も、それぞれにストレスを感じやすくなります。
コロナウイルス感染症の今後の展開が不透明なために気持ちが落ち着かない上に、人間関係の距離がいつもとはかなり違ってくるからです。
一人で生活している人はどこか寂しさを感じるようになります。
全社員が在宅勤務になった私の知人の会社では、寂しさからか、会社に出てくる人がいるそうです。
そうした人には、SNSや電話を使った交流が今まで以上に役に立つでしょう。
先週紹介した認知行動療法活用チャットボット「こころコンディショナー」も役に立つかもしれません。
一方、家族と一緒に生活している人もまた、それぞれに不安になったり、落ち込んだり、イライラしたりしやすくなっていることもあって、お互いの距離の取り方に苦労します。
家族なのだからつらい気持ちをわかってほしいと期待するために、わかってもらえていないと感じると、親しくない人以上に不満を感じやすくなるのです。
その一方で、家族に負担をかけてはいけないと考えてその気持ちを抑え込むことが多くなり、それがまたストレスになってきます。
しかも、そうした気持ちは、言葉に出さなくても態度に表れて、かえって関係がギクシャクしてきます。
お互いが憶測を交えて考え話していると、会話がすれ違いやすくなるからです。
そうであれば、考えていることをきちんと言葉に出した方が良いでしょう。
言葉に出さなければ考えていることが相手に伝わりません。
ただ、そのときには、気になっていることを具体的に伝えたうえで、「なぜ」「どうして」といった原因探しの言葉ではなく、「どうしたら良いだろう」と一緒に手立て探しをするような声かけをするように意識しましょう。
もうひとつ大事なのは、相手の気づかいを感じたときに感謝の気持ちをきちんと伝えることです。
親しい間柄だと感謝の気持ちを言葉にすることに恥ずかしさを感じるかもしれませんが、こうした気持ちも言葉にしないと伝わりません。
ストレスを感じやすい今のようなときに限らず、感謝の言葉は人間関係の潤滑油です。