こころトーク

2020.04.24

第239回 「自分でできる悪夢対策 イメージ・リトレーニング」

私の恩師で友人でもあるアメリカの精神科医アレン・フランセス教授がツイッターで、彼の妻が悪夢を見るようになっていると書いていました。
コロナウイルス感染症の拡大はもちろん、そうした事態を引き起こしたアメリカ政府の対応の不手際に、精神的ストレスを感じているためです。

悪夢を見るというのは、死に直面するような体験で引き起こされるPTSDの症状のひとつですが、だからといって治療が必要な精神疾患にかかったということはできないとフランセス教授は書いています。

彼は、著書『正常を救え』でも、症状があるからといってすぐに治療が必要になるわけではないと書いています。
その症状のために強い苦痛を感じたり、日常生活に支障を感じたりするようになるなど、症状が深刻化して精神疾患と診断されると、専門的な治療が必要になります。

しかし、そうなる前の段階で、自分でできることもあります。

そもそも、米国のデータでは、25%の人が1ヶ月に1回悪夢を見ていることがわかっていて、決して珍しいことではありません。

とくに現在のように誰もがストレスを感じる状況では、悪夢を見る人はもっと多いはずで、誰にでも起こる「正常」な反応だと考えるのが自然です。

しかし、悪夢を見て目が覚めたり、つらい気持ちになったりするのは事実ですので、何らかの手を打てた方が良いでしょう。

そのときに役に立つのが、イメージ・リトレーニングと呼ばれる方法です。

悪夢を繰り返し見るようになっているときに、その内容を書き出します。

夢を書き出すだけで、少し自分を取り戻すことができます。

テレビを観ているような気持ちで、距離を置きながら思い出すように意識すると、さらに効果的です。

続いて、その夢がどのように変われば良いかを考えて、自分が期待する内容に、その夢を書きかえます。

ハッピーエンドになるように夢の終わりを書きかえたり、途中に何か良いエピソードを差し込んだりするのです。

こうした作業を続けていると、夢を自分でコントロールできるという感覚が育って、不安な気持ちが和らいできます。

悪夢を見た翌日、1回に10分くらい使って2回以上、こうした作業を続けてみるようにしてみてください。

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