こころトーク

2020.07.17

第251回 「『可能性がある』と『確率が高いかどうか』の違い」

今回は、可能性と確率の違いについて考えてみたいと思います。

それは、新型コロナウイルス感染症の報道をみていると、可能性と確率が区別されないまま議論されている場合が非常に多いように思うからです。

英語ではpossibilityとprobabilityと表現されますが、possibilityというのは可能性と訳され、ある事柄が起きる可能性があるかどうかです。

しかし、可能性はあくまでも可能性で、それが起きる可能性が高いかどうかは別問題です。

一方、そのことが起きる可能性が高いかどうかはprobabilityで表現され、一般的には、確率と訳されます。

この違いを意識しておかないと、必要以上に不安を感じたり、逆に不安を感じなさすぎたりすることになります。

新型コロナウイルスの第一波が広がって外出自粛宣言が出されたときには、さすがの私も心配になって、自宅にいることが多くなりました。

仕事で外に出ないといけないときには、感染を避けようと、自分で車を運転して出かけるようにしていました。

公共交通機関で新型コロナウイルスに感染するのではないかと心配になったからです。

しかし、あるとき、ふと気づきました。

自分で車を運転していると、交通事故を起こして、相手の人を傷つけたり、自分が傷ついたりする可能性があります。

事故で命を落とすことだってあるかもしれません。

新型コロナウイルスに感染する可能性も、交通事故を起こす可能性も、それぞれ否定できないのです。

そこで大事になってくるのが確率です。

たしかに公共交通機関に乗っているときに新型コロナウイルスに感染する可能性はありますが、手洗いやうがい、マスク着用などの感染症対策をきちんとしていれば、その確率はさほど高いとは思えません。

一方、交通事故は日本全国で年間40万件前後、起きています。

交通事故で亡くなる人の数も、全国で年間3千人を超えています。

私のような高齢ドライバーに限れば、事故を起こす確率はもっと高いでしょう。

そう考えると、自動車事故を起こす確率の方が、新型コロナウイルスに感染する確率よりずっと高いことがわかります。

こう考えて私は運転をやめて公共交通機関を使うようにしたのですが、こうしたことからも、不安になったときには可能性と確率を区別して考えることの大切さがわかります。