こころトーク

2020.09.11

第259回 「つらい状況でも悲観的にならないために」

新型コロナウイルス感染症の新規感染が確認される人の数が少しずつ減ってきて、実効再生産数(1人の感染者が何人に感染させるかを示す指標)も感染終息に向かうとされる1未満が続いていますが、その流れが逆転する可能性もあると言われて不安を感じ続けている人は多いと思います。

国内のウイルス自体は弱毒化してきているようですが、海外との交流が再開されて弱毒化していないウイルスが流入する危険も否定できないと言われると、気が抜けない思いになります。

考えてみれば、あと1カ月、あと2週間、あと1週間じっと我慢していれば感染がおさまってくると言われて数カ月が過ぎました。

このように先が見えない状況が続くと、それだけでこころが疲弊してきます。

せっかく指示されるままに我慢していたのにまた我慢しないといけないと言われると、だまされたような感じさえしてきます。

私たちは、ある程度先を読みながら、いまの自分の行動を組み立て、コントロールしているところがあります。

ですから、今回のように読みが外れるとガッカリして腹立たしさを感じ、先が読めないという現実に直面して不安になってきます。

でも、考えてみれば、いつでも、先に何が起こるかは誰にもわかりません。

ですから、将来のことはわからないという、その事実にきちんと向き合うことも大事です。

明日何が起きるかはもちろん、1分先、1秒先でも、何が起きるかわかりません。

そもそも、新型コロナウイルスの感染拡大自体、誰もまったく予想していなかった想定外の出来事です。

このように考えると、自分は先を読みながら行動しているのだと思っていても、じつはそれがある種の思い込みに過ぎないことがわかります。

そうなると、先を読んで計画を立て、準備をするにしても、それはあくまでも自分のこころのなかの想定でしかない、という事実を意識しておく必要があります。

今回の新型コロナウイルス感染症のようになかなか問題が解消しないと、この大変な状況がこのまま続くのではないかと考えて不安になったりしますが、これもまた自分だけの予測でしかありません。

しかし、新型インフルエンザなど、これまでの感染症も一定期間が経てば終息してきました。

物事には、始まりもあれば終わりもあります。

今回のようにつらい状況が続くと、頭のなかだけで想像して悲観的になりやすいのですが、これまでの現実にも目を向けて、冷静な判断をしていくようにしてください。

前の記事 次の記事