こころトーク

2020.09.18

第260回 「閉じこもる日々から、気をつけて活動する日々に」

新型コロナウイルス感染症の感染拡大が騒がれ始めてからの自分の心理状態をあらためて振り返っていて、35年近く前にインドに行ったときのことを思い出しました。

WHO(世界保健機関)の国際研究会議に出席するために行ったのですが、インドの衛生状態が悪いと聞いていたので、かなり緊張していたのを思い出します。

当時、海外の人間が現地で生水を飲むとひどい下痢になるので気をつけるように言われていました。

そこで、国際研究会議にご一緒した恩師の小此木啓吾先生のご指示もあって、ペットボトルを1ダース抱えて出かけることにしました。

そのペットボトルは、飲用ではありません。

歯を磨いた後に口をすすぐために使うためです。

口をすすぐために現地の水を使うと、水を吐き出したつもりでも口の中にその一部が残っていて、お腹をこわすと言われ、小此木先生も私もビックリしてペットボトルの水を持参することにしたのです。

水を使うのを怖がってフロスで歯の掃除をしていたアメリカから来た知人の研究者にその一部を分けたところ、ひどく喜ばれたのを懐かしく思い出します。

なぜこのようなことを思い出したかというと、ちょっとでも気を抜くと感染してしまうかもしれないと心配していたここ何ヶ月かの私の心理状態が、インドに行ったときと似ていたからです。

とくに、新型コロナウイルスの感染拡大が報道されるようになった最初のころは、一歩でも外に出たら感染するのではないかと不安になったものです。

そのために家にいることが多くなったのですが、そうすると、外にはウイルスが蔓延しているような感覚になります。

これまでも書いてきたように、こうした不安な気持ちは、自分を守るために必要です。

しかし、不安な気持ちのままに閉じこもっていたのでは、何もできないまま自信をなくしてしまうことになりかねません。

こうしたときには、現実にきちんと目を向けて何がどのように危険かを判断する必要があります。

インドに行くときにペットボトルを持参したように、必要な対処法を考えることも大切です。

私も、最近は、そのように意識しながら外に出るようになって、活動範囲が広がってきました。

前の記事 次の記事