先週も書いたように、強いストレスを感じるときには、自分の力ではどうすることもできないと考えて逃げ腰になってしまいます。
しかし、そこで逃げてしまったのでは、問題を解決できないどころか、自分は何もできなかったと考えて自信をなくすだけです。
対処できるかできないかは、やってみないとわかりません。
だからといって、大変そうな問題が起きているときにやみくもに取り組んでも、うまくいかず、自信をなくすことになりかねません。
そもそも、失敗する可能性が高そうだからストレスを感じているのです。
そうしたときには、問題を細かく分けて、少しずつ取り組んでいくようにします。
よく言われることですが、大きな岩を一人で一気に運ぶのは無理でも、その岩を砕いて小石にすれば、運ぶことができます。
問題も同じで、細かく、しかも具体的に分けるようにします。
ただ、同じような大きさに砕いた小石と違って、問題は取り組みやすさが違います。
自分にとっての大切さも違います。
ですから、私が運営する認知行動療法活用サイト「こころのスキルアップ・トレーニング」の問題解決のコーナーでは、取り組みやすさと大切さを評価した上で、できれば自分にとって大切で、しかも取り組みやすいものから取り組んでいけるようになっています。
問題に取り組むとき、取り組みやすさはとても大事です。
私が勉強嫌いだった中学生の頃、父親から、まず机の前に座るようにしてみろと言われました。
いろいろなところで書いてきましたが、私は中学時代、いわゆる「落ちこぼれ」でした。
勉強しないために成績が悪くなり、そのためにますます勉強する気がなくなるという悪循環が続いていました。
そのようなときに、最初から勉強をしようとしてもできるはずがありません。
たとえば数学の問題で、後になってみるとごく簡単なものでも、そのときはとても難しく感じていました。
そのようなときに、無理をして取り組んで失敗すると、さらに自信をなくして、やる気もなくなります。
問題に取り組むとき、最初はほぼ確実に成功しそうなことから始めるようにしてください。
父親が言ってくれたように、まず机の前に座って、次に机の上を整理して、ということであれば、いくら出来の悪い私でも始めることができて、少しばかり気分が軽くなったのを覚えています。