こころトーク

2020.11.20

第269回 「『自分で実現する予言』に振り回されないために」

先週、新型コロナ対策であきらめないことが大事だと書きました。

何をするにしても、「もうダメだ」と考えてあきらめてしまうと、そこから先に進めなくなって、最終的に「ダメ」な結果に終わることになります。

それが、「自分で実現する予言」と呼ばれる現象です。

新型コロナウイルス感染症を例にとって説明します。

一生懸命感染対策をしていたにも関わらず感染が急拡大してきたというニュースに接して、何をやっても無駄ではないかと考えて感染対策をないがしろにするようになったとします。

そうすると、当然のことながら、感染する人はこれまで以上に増えることになります。

私がここで「当然のことながら」と書いたのは、感染対策をじゅうぶんにしなくなれば当然感染者数が増えると考えたからです。

しかし、「どうせ何をやっても無駄だ、何をやっても感染者数は増えてくる」と考えている人は、「やはり感染者数が増えてきた、予想通りだ」と考えて、ますます落ち込むでしょう。

「寒くなってくれば、もっと感染者は増えてくる。もうどうしようもない」と考えるかもしれません。

ただ、ここで少し冷静になって現実に目を向けてみると、この人は、「何をやっても」といいながら、じつは何もやっていません。

「どうせダメだ」と考えて、現実に身を任せているだけなのです。

そのように考えて感染対策をしなければ、それだけ感染しやすくなりますし、感染者数も増えてきます。

「感染対策を頑張ってきたのにダメだった」と考えてガッカリする気持ちはわかりますが、そのときには、どうなれば良いと考えているのか、どうなってほしいと考えているのかを確認して、そのために自分に何ができるかを考えるようにしてください。

自然災害でも同じですが、私たち人間にできることには限界があります。

だからといって、何もできないわけではありません。

少しでもできそうなことを見つけて少しずつ取り組んでいけば、時間がかかったとしても前に進んでいくことができます。

それは、私たちが生きていく上でも大事な心構えです。

今回の新型コロナウイルス感染症は、私たちが毎日の生活の中で大切にする必要がある心がけを思い出させてくれたと、私は考えています。

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