こころトーク

2020.12.04

第271回 「コロナ禍でイライラすることが増えていませんか?」

電車に乗っていると、イライラしている人が増えているように感じます。

先日も、電車の中で言い争いをしている人を、立て続けに目にしました。

巻き込まれたくないので、できるだけそちらを見ないようにしていましたが、怒っている人は割り込みをされたと考えて声を荒げているようです。

混んでいる電車ならまだわかるのですが、それほど混んでもいない電車で、割り込まれたと言って怒っている人や、それに対して激しく言い返している人を見て、些細なことで腹を立てる人が増えているのではないかと感じたのです。

これは私の個人的な体験ですが、新型コロナウイルス感染症が拡大して、他の人の行動に監視の目を向け、少しでも問題を感じたら攻撃する、いわゆる自粛警察と呼ばれるような行動は増えてきているように思います。

その背景のひとつとして、新型コロナウイルスに感染するリスクを避けなくてはならないのはもちろんのこと、個人レベルでは「ステイホーム」、店舗レベルでは「営業時間短縮」など、政府や自治体からの様々な要請のために、これまで当たり前だった私たちの自由な行動が制限されるようになってきたことがあると、私は考えています。

「これだけ感染者数が増えているのだから行動を自粛するのは当然だ」と頭ではわかっているつもりでも、実際に自分の行動が制限されて不自由さを感じるようになると、まわりから不当な扱いをされていると思うようになってきます。

怒りの感情は、このように、自分の領域に不当に侵入されたり、自分の行動を不当に制限されたりしたことに対する反応として、生まれてきます。

今回の新型コロナウイルス感染症の拡大の結果、多くの人が、不当な扱いを受けていると考えています。

そのために、日常的にイライラしていて、ちょっとしたきっかけで感情が爆発しやすくなっています。

だからといって、すぐに感情を爆発させていたのでは安定した人間関係を維持するのが難しくなります。

感情的になることで、結局は孤立を深めることになり、精神的な苦痛を強く感じるようになってくるのです。

そうすると、精神的に追いつめられてきてこころの余裕がなくなるという悪循環が生まれるので、注意が必要です。