あけましておめでとうございます。
いよいよ新しい年が始まりました。
ただ、年が改まったと言っても、自分が変わるわけではありません。
昨日の自分も今日の自分も、同じ自分です。
それでも、新年というと「また新たな気持ちで取り組もう」という思いになるから不思議です。
これもまた、私たちが長年大事にしてきているこころの知恵のひとつだと思います。
認知行動療法で使うストレス対処法のひとつに“気ぞらし”法と呼ばれる方法があります。
落ち込んだり考え込んだりしているときに、他のことに目を向けて、悩みから気持ちをそらす方法です。
人によって違いますが、たとえば、ストレッチをしたり、スキップをしたり、深呼吸をしたりする方法があります。
コインを投げて裏表を当てたり、本を逆から声を出して読んでみたりしてもいいでしょう。過去の良かった体験を思い出すのもひとつです。
具体的なある出来事をひとつ選んで、細かく思い出していくと、そのときの気分になって悩みが軽くなってきます。
こうした“気ぞらし”法を使うのは考え込んでいるときですが、考え込むこと自体が悪いというわけではありません。
困った問題が出てきたときに、じっくり腰を落ち着けて対応策を考えるのは必要なことです。
しかし、気をつけないと、対応策を考えているようでいて、悩みが頭を駆けめぐっているだけということがあります。
いわゆる「下手の考え休むに似たり」の状態です。
それでは先に進んでいくことができません。
では、対応策を考えているのかどうかはどのようにして判断すれば良いのでしょうか。
私は、いま現在の問題に目が向いているかどうか、そして将来に向けての可能性を考えられているかどうかがポイントだと考えています。
逆に、過去のことを悔やんだり、将来のことを心配したりしているときには、先に挙げた“気ぞらし”法を使って自分を取り戻す必要があります。
今年もまだ新型コロナウイルス感染症など悩ましいことが続きそうです。
そうしたなか、上手に自分に合った“気ぞらし”法を使いながら、前に目を向けて進んでいってください。