こころトーク

2021.04.23

第291回 「対処法探しの第一歩『不安』を『恐怖』に切り替える」

この原稿を書いているときに、大阪と東京で緊急事態宣言が発出される方針が固まったというニュースが流れました(4/21時点)。

緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の発出と解除の繰り返しにうんざりしながら、これから先も同じことが繰り返されるのではないかと不安になっている人は、少なくないと思います。

私も同じ気持ちですが、こうしたときには、不安から恐怖に切り替えると対処法を見つけやすくなります。

不安と恐怖は同じように危険を察知したときに生まれてくる感情ですが、対象があるかどうかで不安を感じるか恐怖を感じるかが、違ってきます。

不安というのは、危険を感じる対象がはっきりしないときに生まれる感情です。

それが何だかはわからないが、どうも危険なことが起こりそうだと漠然と感じているのが不安の感情です。

しかし、危険の対象がはっきりしていないと、対策を打とうにも打ちようがありません。

一方、危険な動物に出くわしたり、暴力的な人に怒鳴られたりして、襲われるのではないかと感じるのが恐怖です。

危険を及ぼす具体的な対象がはっきりしているときに、私たちは恐怖を感じるのです。

そのように具体的な対象がはっきりしていると、具体的な対策を考えだすことができる可能性が高くなります。

だから、不安を感じたときには、何を怖がっているのか具体的に考えることで、不安を恐怖に切り替えるようにすると良いのです。

これを新型コロナウイルス感染症の例に当てはめると、新型コロナウイルス感染症の拡大がどのようになるのか、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が今後どのようになるのか、私たちには簡単にはわかりません。

だから不安になるのですが、個人のレベルで考えると、新型コロナウイルスに感染して重症化したり、場合によっては命を落としたりするのが怖いのです。

そう考えると、不安感情に流されないで、感染しないように工夫をするという、具体的な対策を考えていくことができるようになります。

今回は新型コロナウイルス感染症を例に挙げて考えてきましたが、他の場面でも、不安を感じたときに恐怖に切り替える考え方をすることで具体的に対処できるようになってきます。