明日(10/30)は日本ポジティブサイコロジー医学会の学術総会が開催されます。
私は「AIを用いたセルフカウンセリング」というタイトルで講演をすることになっていますが、どのような話をすれば良いか、まだ最終的に決めることができずに迷っています。
それは、私たちが開発、提供しているAIチャットボット「こころコンディショナー」の位置づけが、私のこころの中で次第に変わってきているためです。
「こころコンディショナー」については、すでにこころトークで何度も紹介してきましたが、AIを活用しながらこころを整えるアプリとして開発を続けてきました。
「こころコンディショナー」の開発を始めた当初は、AIが心を読むことはできないにしても、利用者の方が考えるきっかけになるヒントを提供して、こころを整えてもらえれば良いと考えていました。
とくに去年は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大でストレスを感じている人が多かったので、ストレスを和らげるために使ってもらえるといいと思って、開発途中のプログラムを無料で提供することにしました。
「こころコンディショナー」が、自由に人と会って相談できない人のこころの整理に役立てば良いと考えたからです。
おかげで多くの人に利用していただいて、好評だったこともあって、これからも基本機能は無料で提供していくことにしました。
その一方で、「こころコンディショナー」を使っているうちに人と話したくなったという人も出てきました。
そのコメントを聞いて、私は、やはり私たちは人と人との温もりのある交流を求めているのだと思いました。
デロイトトーマツという会社が米国での調査結果をもとに、チャットボットなどのデジタルツールは人間同士が交流する機会を創り出すもので、完全に人間関係に変わるものにはならないだろうという報告書を出していますが、まさにその通りだと思います。
さて、明日の講演に話を戻したいと思います。
AIを活用したチャットボットがどの程度人に代わって心を支えられるかという話を期待している人も多いと思います。
しかし、少なくとも現時点では、AIチャットボットは人に代わることはできないと私も考えていて、人間的な温もりに導く手段のひとつになれば良いという話をしたいと考えています。