こころトーク

2021.12.10

第324回 「行動するために必要な『勇気』」

私が監修している認知行動療法活用サイト「こころのスキルアップ・トレーニング」の会員の方から質問をいただきました。

私が、「行動してほしい」「実行してほしい」と書くが、そのように行動したり実行したりするためには「勇気」がいるのではないかというご指摘です。

まったくその通りで、何かを実行するときには勇気が必要です。

そのことについて書く前に、実行したり行動したりすることの大切さについて説明しておきます。

以前にも書いたことですが、認知行動療法の基本は「やってみなはれ!」の精神です。

関西の経営層の人たちに認知行動療法の考え方について話したときに、出席者の方が「要するに、やってみなはれということですね」とおっしゃったのです。

まさにその通りで、認知行動療法では、やってみないとわからないことをあれこれ先に考えて心配するのではなく、どうなるかを確認するために、思い切ってやってみるように勧めます。

日本由来の精神療法の森田療法では「恐怖突入」と呼んでいますが、行動して確認しないと結果がどうなるかはわかりません。

もちろん、行動したからといって必ずうまくいくとは限りません。

失敗する可能性があるかもしれないと考えると不安になります。

不安になると、良くない可能性の方に目が向きがちになります。

だからといって、何もしないでいると、「できなかった」という思いだけが残って、ますます自信がなくなります。

だからこそ、「勇気」を持って行動する必要があるのです。

もちろん、行動して失敗する可能性が明らかに高いようであれば、行動しない方が良いでしょう。

行動した方が良いかどうか判断するときに意識したいのが、可能性と確率を区別する考え方です。

どんなに簡単なことでも、失敗する可能性がまったくゼロということはほとんどありません。

同じように、必ず失敗するということもほとんどありません。

ですから、成功する可能性と失敗する可能性の割合、つまり確率を検討し、失敗する確率がある程度低いようであれば、思い切って試してみるのです。

そのように現実に目を向けるために「勇気」が必要なのです。

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