こころトーク

2021.12.24

第326回 「冬を越えた先に何を望みますか?」

今夜はクリスマスイブです。

テレビには、街を彩るイルミネーションが映し出されています。

天気予報では寒い夜になりそうですが、感染の広がりが一段落したこともあって、町に出て親しい人たちと楽しい時間を過ごす人が少なくないと思います。

この時期になると、つらそうな表情をして「自分は“越冬隊”だ」とおっしゃっていた患者さんのことを思い出します。

「越冬隊」という言葉には、喧噪に包まれた華やかな街に出かけて親しい友人と楽しい時間を過ごすことができず、家のなかで一人時間を過ごさなくてはならない寂しさがよく現れています。

華やかな様子が目に入って孤独感を刺激されるだけに、そうした人たちにとってクリスマスや正月の現実は、心理的に厳しい風が吹き荒れる冬の荒原のようにしか見えないのでしょう。

他の人たちは誰もが仲のいい人たちと楽しい時間を過ごしているのに、自分には無縁だと考えると、どうしようもない無力感が強くなります。

今その人が置かれている厳しい現実を考えると「越冬隊」と言って自分を揶揄したくなる気持ちはわかります。

しかし、「越冬隊」という言葉を聞いた私は、その人の“それから”について少し希望を持って話を聞くこともできました。

「越冬隊」という言葉のなかに、冬を越えたいというその人の思いが込められていると感じたからです。

たしかに今はつらいかも知れません。

しかし、冬はいつまでも続くわけではありません。

人の力でどうすることもできない季節の冬と違って、こころの冬は工夫すれば自分の力で終わらせることができます。

そのためには、自分にどのようなことができるかを考える必要があります。

それも、焦らないことです。

自分が希望する活動をしたいのであれば、何をするのか目標を明確にしてはどうでしょうか。

人との交流を望むのであれば、どのような人と交流したいのかを考えてみましょう。

まず、頭のなかで小さな目標を明確にして、次にそれを行動に移すための計画を立てていくようにすれば、自分が期待する現実に近づくことができます。

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