親しくしている知人の友人が、寝る前に子どもと話しているときに、その日に起きた良いことを三つ教えてもらっているという話を聞きました。
ポジティブ心理学で効果が実証されているスリー・グッド・シングスという方法を、子どもとの日常生活で実践しているというのです。
子どもに前向きに生きていってほしいという親心でしょう。
スリー・グッド・シングスは、その日に起きた良いことを三つ書き出す手法です。
そのように良いことを思い出すと、前向きな気持ちになってきます。
その人は子どもとの間で、良かったことの振り返りを行っています。
良かったことを1人で書き出すだけでなく他の人と話し合うと、一緒に気持ちが前向きになってくるようです。
良いことを親子で話し合って喜びの気持ちを共有すると、親子の関係も良くなってくるでしょう。
同じことは、配偶者ともできるでしょう。
そうすると、お互いの良い面に目が向くようになって、夫婦関係が良くなってきます。
仕事場面でもお互いに良いところを報告し合っても良いでしょう。
いろいろな可能性があるように思えてきて、嬉しくなりました。
じつを言うと、私が監修している認知行動療法活用サイト「こころのスキルアップ・トレーニング」のなかに、毎日良かったことを書き出す「こころ日記」のコーナーがあります。
このコーナーを組み込んだのも、サイトを使う人たちにスリー・グッド・シングスの考え方を実践していただきたいと考えたからです。
ただ、「こころ日記」には、良かったことだけでなく、良くなかったことも書き出す欄と、そのときに気づいたことを書き出す欄も作りました。
私たちの生活では、良いことばかりでなく、良くないことも起こります。
そうすると、どうしても良くないことに気持ちが引きずられてしまいます。
しかし、そのようなときでも自分がいろいろ工夫をしていることに気づいてほしいと考えて、そのような欄を作ったのです。
そのときの工夫に目を向けることができれば、良くない体験が良くないだけの体験にはなりません。
良くないことが起きたときに工夫をしたことも、良い体験として心に残ります。
良くない体験も将来に生かしていってほしいと考えています。