こころトーク

2022.02.18

第334回 「緊張とパフォーマンスの関係」

北京オリンピックが続いています。

オリンピックに出場する選手たちの身体能力には驚きますが、その力をオリンピックで出すことができる精神力にも驚いてしまいます。

多くの人が見ている中で最高難度の技を成功させるのは、並大抵の精神力ではないと思います。

人が見ているとすぐに緊張してしまう私からすると、考えられないほどのこころの強さです。

そう思いながらテレビを観ていたとき、しばらく前にあるスポーツ選手が、緊張したときに出せる力が自分の実力だと考えていると言っていたのを思い出しました。

その発言を聞いて、私はなるほどと思ったのですが、それは、ひどく緊張したときにはいつも通りの力を出すことができないと自己認識できていれば、無理に良いパフォーマンスをしようとして身体的にも精神的にも自分を追いつめないですむからです。

私たちは、追いつめられればいつも以上のパフォーマンスをすることができるのではないかと考えますが、決してそんなことはありません。

緊張しすぎると不自然な力が入りやすくなってパフォーマンスが低下するというのは、自然な結果です。

米国のプロ野球で、得点数が僅差の試合の終盤で出場した選手の打率を調べたところ、一様に落ちていることが分かりました。

9回裏、一打逆転の緊張する場面でいつも以上の活躍ができる選手はいないのです。

プロバスケットボール選手の中でも最高峰のマイケル・ジョーダン選手でも、プレッシャーが最大の状況ではシュートの成功率が下がっていました。

このときに大事なのは、いつものようにパフォーマンスできないという事実を受け入れることができるかどうかです。

「緊張したときに出せる力が自分の実力だ」と考えて、パフォーマンスの低下を受け入れることができれば、比較的自然に近い動きができるようになります。

そうすれば、パフォーマンスの低下を最小限に抑えることができます。

緊張する場面で活躍できるのは、緊張してパフォーマンスが落ちる自分を受け入れ、その状態で動けるように工夫できる選手です。

このように、そのときどきのありのままの自分を受け入れることで力が発揮できるのは、もちろんスポーツに限ったことではありません。

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