前回は、問題を解決しようとするときにとくに大切な「数の法則」と「判断遅延の法則」を紹介しました。
良いか悪いかを考えないで、まず思いつくままに解決策を並べてみるという考え方です。
そのようにすることで、特定の解決策にとらわれない、幅広い視点で問題に向き合うことができるようになります。
そうすれば、解決策の幅も広がってきて、解決できる可能性が高くなってきます。
そのようにして、解決策が一応出そろったところで、それぞれの解決策の長所と短所を考えるようにします。
その場合には、それによって問題が解決できる可能性と、その方法を実行するときの実行しやすさを検討するようにします。
認知行動療法活用サイト「ここトレ」(https://cbtjp.net)で、「役立ち度」と「簡単度」を数値化して比較できるようにしているのは、そのためです。
そのようにして解決策を決めた後で、それを実行に移すことになりますが、そのときも、焦らないで、きちんと準備の時間を取るようにしてください。
何を、いつどこでどのようにするのか、人に頼むのか、自分一人でするのか、具体的な手順を含めて丁寧に準備を進めていくようにします。
そのときに、解決策を実行するのに障害になるものがないかも検討して、阻害要因がある場合には対処法を考えるようにします。
解決策を実行した後は、その結果がどうだったかを評価します。
いくら丁寧に準備をしたとしても、必ずしもうまくいくとは限りません。
当然、問題を解決できないときもあります。
そのときに、解決できたかできなかったかという「白か黒か」で判断しないようにしましょう。
何がどこまで解決できたか、できていないことは何か、対処法の何が良くて何が良くなかったか、現実に目を向けながら丁寧に情報を集めるようにしてください。
良くなかったことが具体的にわかると、それを次に生かすことができます。
失敗は失敗で終わらないのです。
このように問題に対処していきますが、すぐに問題が解決できないときもあります。
そのときには、頑張りすぎないで一休みする勇気も必要です。
また、自分一人で頑張らないで、他の人に手助けをしてもらうこころの余裕を持つことも大切です。