こころトーク

2023.01.13

第381回 「こころの『反すう』でつらくなっていませんか?」

年末年始をゆっくり過ごした方も多いと思います。

私もその一人で、久しぶりにゆっくりとする時間を持つことができました。

私が好きなのは、横になって何もしないでボンヤリとする時間です。

眠るでもなく、何かを考えるでもなく、ボンヤリとしているととても幸せな気持ちになります。

おそらくこれがマインドフルな時間なのだろうと、考えたりもします。

その一方で、そんな風にボンヤリとしていると、気がかりなことが次々と頭に浮かんでくることがあるので注意が必要です。

とくに困ったことが起きていたり、課題がたまっていたりしているときには、これまでの失敗体験やいま直面している問題、これから先の不安などが浮かんできて、頭から離れなくなります。

そのために気持ちが揺れて落ち着かなくなって、同じことを繰り返し考えるようになってきます。

専門的に「反すう」と呼ばれる状態です。

「反すう」というのは、牛などの動物が食べ物を口で噛んで胃に送り、胃で一部を消化した後にまた口に戻して咀嚼するということを繰り返す状態を表現する言葉で、繰り返し同じことを考え続ける状態にも使われるようになりました。

もちろん、牛などの動物は「反すう」が消化の助けになっているのですが、こころの「反すう」はまったく逆効果でつらい気持ちになるだけです。

何の解決策も浮かばないまま同じところを堂々巡りするだけで先に進むことができないのです。

そのために、不安な気持ちや憂うつな状態が続くことになりますが、自分ではなかなか反すうに気づくことができません。

こころのどこかで、考えていれば問題を解決できるのではないかと期待している自分がいるからです。

頭のなかで考え続けることで、現実に足を踏み出して問題に目を向けないで済んでいる可能性もあります。

そうすると、いつまでたっても問題に取り組めない状態が続いて、ますますつらい気持ちになってきます。

そうした状態を避ける工夫については、次回の「こころトーク」で考えてみたいと思います。

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