こころトーク

2023.02.10

第385回 「身体を動かせないときの『反すう』の止め方」

あれこれ良くないことを考える「反すう」を止めるためには身体を動かすのが良いと前回書きました。

どのようなものであっても、身体を動かして、その動きに集中すると、考える余裕がなくなるからです。

しかし、人によっては身体を動かすことができないこともあります。

身体の病気のために横になっているしかない人もいます。

落ち込んで体が重く、動くためのエネルギーが出てこない状態の人もいます。

気分を軽くするには身体を動かすのが良いとわかっているだけに、そうしたことができない自分を責めて、ますますつらくなります。

そうしたときには、イメージ法を使ってみてはどうでしょうか。

これまでに体験したことがある良かったことを、思い出してみるのです。

それも単に思い出すだけではありません。

そのときの状況を細かく、丁寧に思い出していって、まさにその場にいるようなイメージをこころのなかで作っていくのです。

どのようなことをしているときに、どのようなことが起きたのでしょうか。

まわりの景色や雰囲気、気温、明るさ、匂いなど、今まさにその場面にいるかのように思い出してください。

そのとき、一緒にいたのは誰だったでしょうか。

誰と、どのような話をしましたか。

話した内容を、細かく思い出しましょう。

話しているうちに、どのような気持ちになりましたか。

気持ちの変化も思い出してみましょう。

このように、良かった体験を丁寧に思い出していると、その場にいるかのような気持ちになってきます。

その場にいるかのようなふりをしているうちに、現実にその場にいるかのようなこころの状態になってくるのです。

そのようにしていると、自然に「反すう」が止まって、気持ちがラクになってきていることに気づくはずです。

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