あれこれ良くないことを考える「反すう」を止めるためには身体を動かすのが良いと前回書きました。
どのようなものであっても、身体を動かして、その動きに集中すると、考える余裕がなくなるからです。
しかし、人によっては身体を動かすことができないこともあります。
身体の病気のために横になっているしかない人もいます。
落ち込んで体が重く、動くためのエネルギーが出てこない状態の人もいます。
気分を軽くするには身体を動かすのが良いとわかっているだけに、そうしたことができない自分を責めて、ますますつらくなります。
そうしたときには、イメージ法を使ってみてはどうでしょうか。
これまでに体験したことがある良かったことを、思い出してみるのです。
それも単に思い出すだけではありません。
そのときの状況を細かく、丁寧に思い出していって、まさにその場にいるようなイメージをこころのなかで作っていくのです。
どのようなことをしているときに、どのようなことが起きたのでしょうか。
まわりの景色や雰囲気、気温、明るさ、匂いなど、今まさにその場面にいるかのように思い出してください。
そのとき、一緒にいたのは誰だったでしょうか。
誰と、どのような話をしましたか。
話した内容を、細かく思い出しましょう。
話しているうちに、どのような気持ちになりましたか。
気持ちの変化も思い出してみましょう。
このように、良かった体験を丁寧に思い出していると、その場にいるかのような気持ちになってきます。
その場にいるかのようなふりをしているうちに、現実にその場にいるかのようなこころの状態になってくるのです。
そのようにしていると、自然に「反すう」が止まって、気持ちがラクになってきていることに気づくはずです。