ここ何回か、人と人のつながりがこころを元気にすると書いてきました。
でも、そうかもしれないが、そう言われても信頼してつながりあえる人なんて自分にはいないと感じた方がいらっしゃるのではないでしょうか。
信頼できる人がまわりにいない自分は、これからもつらい気持ちを抱えながら生きていくしかないと考えた方がいらっしゃるかもしれません。
たしかに、そうした人間的なつながりが持ちづらいために、精神的なストレスを感じている方は多いでしょう。
新型コロナウイルス感染症のために閉じこもりがちの生活をして、孤立するようになった人も多いと思います。
だからこそ、発想を転換して、他の人とのつながりを持つ機会を持つようにしてほしいと思うのです。
「つながりが持てていないからつらい」という考えから、「つらいから、つながりを持つようにしよう」と発想を転換してみるのです。
多くの人とつながる必要はありません。
一人でも二人でも、ちょっとだけ話をする機会を持つだけで十分です。
それをきっかけに、少しずつ、人の輪が広がってくるはずです。
もちろん、すぐには無理かもしれません。
今まで人とつながる機会がなかったのですから、急に人と交流できるようになるのは難しいと思います。
私が高校1年生のときに、成績が悪くて落第したときのことを思い出します。
落第したのは私ただ一人でしたので、一学年下のクラスに行くのはとても抵抗感がありました。
最初は、みんなから好奇の目で見られているような気がします。
でも、時が経つうちに、少しずつ話をする同級生が増えてきました。
自分からみんなに話しかけるようにしたのも良かったのでしょう。
次第にクラスに馴染んでいっているように思えて、落第生だという引け目も消えていきました。
名前も、通常の同級生のように「大野」と呼び捨てではなく、「大野さん」と「さん」付けで呼ばれることは続きました。
その一方で、受け入れられているという安心感が生まれて、少しずつですが、勉強もするようになっていきました。