こころトーク

2023.05.19

第398回 「『行動できない』と決めつけていませんか?」

先週は、こころの栄養になる活動をすることでこころを元気にすることについて書きました。

しかし、気持ちが沈み込んでいる人は、「何をやっても全然楽しめない」とおっしゃることがよくあります。

「そもそも落ち込んでいるのだから、何かをしようとする気力さえ全然湧いてこない」とおっしゃる方も多くいらっしゃいます。

落ち込んでいるときには、たしかにそう思えるかもしれません。

しかし、このように「何をやっても」とか「全然」とかいった決めつけ言葉には注意が必要です。

そのように決めつけることで、自分自身で自分を追い込んでいる可能性があるからです。

「何をやってもどうせダメだ」と考えていたのでは、気力が湧いてきません。

その結果、何もできず、「やっぱりダメだった」と考えてますます元気がなくなってきます。

このように頭の中だけで考えていたのでは、先に進むことができません。

何もできていない自分が惨めに思えてきます。

そのようなときには、現実に目を向けて、実際の行動の結果を見ながら工夫をしていく必要があります。

「そう言われても、行動できていないので、結果を見ることなんてできない」と考える人がいるかもしれません。

「行動」を「身体を動かすこと」と考えると、そう考えやすいので注意が必要です。

身体を動かさない行動だってあります。

たとえば、何もしないで横になっているという行動です。

「何もしない」と書きましたが、そのときは、「横になる」という行動をしています。

そこで大事なのは、「横になる」という行動をとることで身体や気持ちがどのように変化するかです。

それで疲れが取れるようであれば、そのような行動が役に立ちます。

逆に、横になっていろいろ考えてしまうようであれば、それをやめたほうが良いでしょう。

今回お伝えしたかったことは、私たちはいつも何か行動をしているということです。

そのとき、その行動が自分のこころの栄養になっているかどうかを振り返りながら、行動を調整していっていただきたいと思います。

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