こころトーク

2023.07.07

第405回 「やる気が起きないときの最初の一歩」

暑い日が続いています。

これだけ暑いと、やむをえない場合以外は、屋外に出るのが嫌になってしまいます。

コロナ禍のときもそうでしたが、何もしないで家で過ごしていると、こころや体のバランスを崩しやすくなります。

何かをして楽しいと感じる経験をしなければ、何かをしようという意欲はわいてきません。

楽しい体験だけではなく、やりがいを感じる体験もまた、こころを元気にするためには大切です。

少し大変でも、やりがいを感じることができれば、もう一度その体験をしてみたいと思うようになります。

もっとも、楽しい体験ややりがいのある体験がこころを元気にすると言われても、そのような体験をするだけの元気が出ないということもあります。

そのために何もすることができず、結局何もできなかったという後悔の思いだけが残って、さらに元気がなくなるという悪循環に入っていってしまうこともあります。

そのように何かをする気になれないときには、最初からあきらめるのではなく、2分でも3分でも、手をつけてみるようにしましょう。

私自身は、原稿の締め切りが迫っているのに、手をつける気力がなかなかわかないことがあります。

そのために、ついテレビの前に座って、ボンヤリとテレビを眺め続け、いつの間にか時間が過ぎていたりもします。

そのように意味もなく時間を浪費していることに気づいたときには、思い切って机の前に座って、少しだけ文章を書いてみると良いようです。

良いか良くないか、内容は二の次で、書くという作業に取りかかるのです。

そうしているうちに、書こうという意欲が少しずつ出てきて、気がついたら30分、1時間と過ぎていることが少なくありません。

こうしたことは、仕事だけでなく、部屋の掃除や片付けなど、何にでも当てはまります。

自転車をこぎ始めるときと同じです。

最初は力を入れてペダルを踏まないといけませんが、自転車が動き始めると、そんなに力を入れなくても自然に前に向かって進んでいきます。

千里の道も一歩からという諺があります。

これは、まず一歩を踏み出すのが大事だということに加えて、最初の一歩はエネルギーがいっても、リズムに乗れば自然に前に進めるようになるという意味が含まれているのだと、私は考えています。

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