NHKの朝ドラネタを続けます。
今回は、2014年から放映された「マッサン」です。
ご存知の方も多いと思いますが、「マッサン」はニッカウヰスキーの創業者、竹鶴政孝と妻のリタをモデルとした、「純国産ウイスキー」の製造に成功するストーリーです。
ジャパニーズウイスキーは、現在では世界5大ウイスキーのひとつに数えられるほど、高い評価を受けています。
しかし、竹鶴がウイスキー作りに取り組み始めた時は、日本でウイスキー作りは不可能だと考えられていました。
そうしたなか、竹鶴政孝は、「どうせ、無理だ」と考えられていたウイスキー作りに取り組みます。
そのときに力を貸したのが、サントリーの創始者の鳥井信治郎です。
持ち前の「やってみなはれ」精神を生かして、竹鶴政孝を工場長に据えてウイスキー作りに取り組みます。
初めての試みですから、そんなに簡単にウイスキー作りは成功したわけではありません。
しかし、竹鶴は、試行錯誤の末に世界トップクラスの純国産ウイスキーを作ることに成功します。
このとき、最初から「どうせダメだ」とあきらめていたら何も生まれなかったでしょう。
そうすれば、「やっぱりダメだった」と現実を受け入れるしかなくなります。
「どうせ」-「やっぱり」の魔法にかかってしまって、先に進めなくなるのです。
失敗のなかには、次につながるヒントがたくさん隠されています。
失敗した現実に目を向けるのは苦痛ですが、そのヒントをひとつでも見つけることができれば、失敗は失敗でなくなります。
失敗を次に生かすことができます。
今回紹介した「やってみなはれ」の精神は、認知行動療法の考え方そのものです。
最初のとっさの判断にしばられずに、できることからまず手をつけてみる。
思うようにいかないことがあれば、そこからわかるヒントを生かして、先に進む工夫をして、さらにやってみる。
そして新しいヒントを見つける。
そうすれば、新しい景色がきっと開けてくる。
それが、認知行動療法が目指すところです。