明後日の日曜日には、第12回日本ポジティブサイコロジー医学会の学術集会が開催されます。
ポジティブサイコロジーの考え方を提唱したのは、米国の心理学者のマーティン・セリグマン先生です。
セリグマン先生は、アメリカ心理学会の会長を務めたときに、それまでの心理学が人間心理のネガティブな側面にばかり目を向けていたことに問題意識を持ちました。
私たちは、ストレスを感じるような状況に置かれると、うつや不安、怒りなどのネガティブな感情を体験します。
そうした感情は、何か対策を立てないといけない問題が起きているということを伝える警報器(アラーム)の役割を果たしています。
そうしたこころの警報器(アラーム)がなったときには、あわててそれを消すのではなく、何が起きているかを確認する必要があります。
そのときに、実際に問題が起きていた場合には、必要な対策を立てて対応しなくてはなりません。
だからといって、焦らないことです。
焦ってしまうと、場当たり的な対応になって、自分が本来持っている力を発揮することができなくなります。
ひと息入れて、自分を取り戻し、自分の力を発揮できるこころの状態を取り戻す必要があります。
そのときに大切なのが、私たちが本来持っているこころの力です。
その力を上手に使うことができれば、問題に対処し、解決することができるようになります。
このように考えると、自分らしく生きていくためには、こころのネガティブな面だけでなく、ポジティブな面にも力を向けることが大切だとわかります。
しかも、気持ちがポジティブになれば、ストレス状況でもいろいろと工夫できるようになってきます。
私たち誰もが持っているそのようなポジティブな力に目を向けたのが、マーティン・セリグマン先生です。
その考え方は、心理学に止まらず、さまざまな領域に影響を与えています。
今度の学術集会では、職域でそうしたこころの力をいかす工夫について、専門家に語っていただく予定になっています。