こころトーク

2023.12.29

第431回 「自分の役に立つ気分転換ができていますか?」

前回書いたように、悩みに目を向けて問題に対処するためには、それだけのこころのエネルギーが必要です。

ですから、近年注目されている認知行動療法「リカバリーを目指す認知行動療法CT-R」では、その人がイキイキできている瞬間にしていた活動に目を向けて、そのようにこころが元気になる活動を増やしていくようにします。

ただ、そのときに気をつけなくてはならないことがあります。

何でも、楽しい活動をすればよいというわけではありません。

楽しい活動が現実逃避の手段になっている可能性があるからです。

たとえば、仕事がつらいからといって、気を紛らわせるためにアルコールに手をつけてしまうと、きちんと仕事に向き合えなくなります。

勉強するのがつらいからといってコンピュータゲームばかりしていると、勉強が遅れてしまいます。

気分転換と思っていることが、現実逃避の手段になってしまうことがあるのです。

そのことに自分で気づきにくいのも問題です。

私たちは、ほとんどの行動を意識しないで行っています。

行動を一つひとつ意識していると、時間がかかりすぎるからです。

そのため、気がつかないうちに、好ましくない行動を続けてしまうことになります。

そうした状況になるのを避けるためには、時々自分の行動を振り返ってみることが役に立ちます。

認知行動療法活用サイト「ここトレ(こころのスキルアップ・トレーニング)」のスキル練習「行動活性化」は、自分の行動を振り返る目的で作られたものです。

そこではまず、どのような行動が自分の気持ちを軽くしているかを確認します。

それと同時に、その行動が、自分の役に立っているかどうかも確認します。

そのためには、自分がこれからどのような方向に進もうとしているのかを意識することが大切です。

そして、自分のいまの行動が、自分が期待している現実を実現するために役に立っているかどうかを判断するのです。

役に立っていてやりがいを感じているようであれば、少し厳しくても踏ん張った方がよいでしょう。

もし自分が期待する方向に進めていないようであれば、別の方向に進むことを考える必要があります。

それでは、よい年をお迎えください。

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