先日、企業に勤める知人から「4月病という言葉を知っているか」と質問されました。
私は初めて聞く言葉です。
意味を尋ねてみると、4月に頑張りすぎて心身ともに疲れてしまう若者の状態を指す言葉だと言います。
その典型的な例のひとつが、大学に入って頑張ろうと考えて単位を取り過ぎて、途中で息切れする学生だそうです。
ずいぶん昔のことになりますが、私が大学に入学したときのことを思い出すと、たしかにそのように高揚した心理状態になっていました。
大学入試に何年も失敗し続けたこともあって、合格して大学に行けるようになったことがうれしく、横を歩いていた見ず知らずの学生に声をかけたのを思い出します。
その学生は、突然声をかけられてビックリしていました。
懐かしい思い出です。
今年は対面の授業を増やす大学が多いようです。
今まで家にいてオンライン授業を受けていた学生にとって、新しい知り合いが増えたり、友だちに会えたりするのはかけがえのない体験だと思います。
今回のコロナ禍で、私たちは、信頼できる人や気軽に話せる人の存在の大切さを、身を持って体験しました。
最近では、第四波の可能性が話題になりますが、それでも多くの人が街に出ています。
そうした人たちの様子をニュースなどで観ると、それだけ、人恋しくなっている人が多いのだと感じます。
私は、そのように人に会うのは悪くないし、むしろ良いことだと考えています。
ただ、それも、感染対策に十分気をつけてのことです。
親しい友人に会うと、気持ちが軽くなって、つい大きな声で話したくなります。
笑い声も出るでしょう。
しかし、それでは、感染の可能性を増やすことになりかねません。
これは学生だけのことではありません。
年代にかかわらず、うれしい気持ちは気持ちとして大事にしながら、現実に即した行動を取ることが大切です。
最初に紹介した学生の4月病の例でいえば、冷静になって必要な科目だけを履修申告することです。
こうした冷静さは、どのような状況でも大事です。