あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いいたします。
私の恩師のアーロン・ベック先生が昨年、100歳で亡くなったこともあって、最近ユーチューブ(YouTube)でベック先生の動画を観ることが多くなっています。
それにしても、ユーチューブなどデジタル技術が発展して、亡くなった人の顔を見ながら話を聞くことができる時代になったことに驚き、感謝しています。
振り返ってみると、私がベック先生に最初に会った1980年半ばには、ノートパソコンなどありませんでした。
渡米する前に総額150万円でリースしていたワードプロセッサーは1行だけの白黒の小さいモニターが付いているだけでした。
それでもスーツケースくらいの大きさがあって、アメリカに持っていくことなどとうていできないので、発売されたばかりの小さめのデスクトップパソコンを買って持っていくことにしました。
しかし、ブラウン管式のディスプレイは持って行くには大きすぎるので、現地で買って使い始めたのですが、英語仕様のためにドット数が少なく、漢字が半分しか表示されません。
あわてて日本にいる先輩医師に連絡して、日本語仕様のディスプレイを買って送ってもらいました。
もちろん、その頃はスマホなどなく、ポケベルが使われていました。
私が留学したニューヨークの医師は、ポケベルに患者から連絡が入ると折り返しの電話を入れる対応をしていて、そうした最新機器を使いこなしているのが私にとっては驚きでした。
当時はポケベルが最新機器だったのです。
それから30年あまり経ちましたが、デジタルツールはその間に驚くほど発展しました。
リーマンショックなどの経済的問題や東日本大震災などの災害を体験しながらも、それに負けない工夫を続けた人間の力にすごさを感じます。
その一方で、留学中にディスプレイを送ってくれた先輩や、英語が上手でない私を現地で支えてくれたベック先生、精神科医や患者さんなど、人の支えの力にも同じようなすごさを感じます。
コロナ禍はまだ続きそうですが、永遠に続くわけではありません。
それに、人の力、支えあう力も変わらず続いていきます。
そうした人の力を大事にしながら、今年も先に向けて進んでいきたいと考えています。
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■大野先生 講演会情報
第5回 JKA「女性のライフステージと女性特有のうつとの関係」セミナー
大野先生は
「周産期の女性の心の健康のための認知行動変容アプローチ」
というタイトルでお話されます。
日時:2022年 1月16日(日) 13:00~15:00
視聴無料/要事前申込み
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https://www.jcptd.jp/entry_detail.php?id=97