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2023年3月29日(水)全国感染症情報

最新の流行状況

2023年3月6日~3月12日に全国での流行が報告された感染症情報をお届けします。

感染性胃腸炎

定点あたりの報告数は3週連続で減少しましたが、過去5年間の同時期(前週、当該週、後週)と比較してやや多くなっています。
▼都道府県別の上位3位
1.富山県 2.大分県 3.愛媛県

A群溶血性レンサ球菌咽頭炎

定点あたりの報告数は2週連続で増加しました。
▼都道府県別の上位3位
1.鳥取県 2.福岡県 3.長崎県

咽頭結膜熱

定点あたりの報告数は増加しました。
▼都道府県別の上位3位
1.熊本県 2.富山県 3.佐賀県

【出典】国立感染症研究所 感染症週報を加工して作成

薬剤師ワンポイントアドバイス

 例年、3月から5月にかけて乳幼児を中心に胃腸炎の流行が起こり、この中にはロタウイルスによる胃腸炎が多く含まれています。ロタウイルスによる胃腸炎は、ロタウイルスによって引き起こされる急性の胃腸炎で、乳幼児期(0~6歳ころ)にかかりやすい病気です。ロタウイルスは感染力が強く、ごくわずかなウイルスが体内に入るだけで感染してしまいます。ふつう、5歳までにほぼすべての子どもがロタウイルスに感染するといわれています。

Q1 ロタウイルスによる胃腸炎はどのようなものですか?

 乳幼児は、激しい症状が出ることが多く、特に初めて感染したときに症状が強く出ます。
 主な症状は、水のような下痢、吐き気、嘔吐(おうと)、発熱、腹痛です。脱水症状がひどくなると点滴が必要となったり、入院が必要になることがあります。

Q2 ロタウイルスは、どうやって感染するのですか?

 ロタウイルスが口から入ることで感染します。ロタウイルスは、ロタウイルスによる胃腸炎のかたの便に大量に含まれています。便の処理した後に十分な手洗いをしても、手や爪に数億個ものウイルスが残っていることがあり、ロタウイルスが付いた手などから感染が広がっていきます。

Q3 発症した場合の治療法はありますか?

 脱水を防ぐための水分補給や体力を消耗したりしないように栄養を補給することなどが治療の中心になります。脱水症状がひどい場合には医療機関で点滴を行うなどの治療が必要になります。

Q4 感染を予防したり、広げないようにするにはどうしたらいいですか?

 オムツの適切な処理、手洗いの徹底などが必要です。オムツを交換するときには使い捨てのゴム手袋などを使い、捨てる場合はポリ袋などに入れます。手洗いは指輪や時計をはずし、せっけんで30秒以上もみ洗いします。

 しかしながら、これらの取組を行なってもロタウイルスは感染力が非常に強いので、感染を完全に予防することは困難です。日本では、2種類のロタウイルスのワクチンが承認されていて、任意で接種を受けることができます。詳細については、医療機関でご相談ください。


■出典 厚生労働省「ロタウイルスに関するQ&A(第1版 平成26年2月14日作成)」を加工して作成

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