2023年8月28日~9月3日に全国での流行が報告された感染症情報をお届けします。
定点あたりの報告数は2週連続で増加しました。
▼都道府県別の上位3位
1.大分県 2.石川県 3.熊本県
定点あたりの報告数は2週連続で増加し、過去5年間の同時期と比較してやや多くなっています。
▼都道府県別の上位3位
1.鳥取県 2.富山県 3.福岡県
定点あたりの報告数は2週連続で増加しました。
▼都道府県別の上位3位
1.佐賀県 2.宮崎県 3.福岡県
【出典】国立感染症研究所 感染症週報を加工して作成
小児の感染症の1つに、「手足口病」があります。
特に濃厚な接触が生じやすい環境である保育施設や幼稚園での集団感染には気を付ける必要があります。
今回は、そんな「手足口病」についてお話したいと思います。
手足口病は、その名前の通り、口腔粘膜および手や足に水疱性の発疹が現れる急性ウイルス性感染症です。通常は3~5日間の潜伏期間を経て発症します。発熱を伴うこともありますが、軽度であることがほとんどで、3~7日間の経過で終息します。
4歳位までの幼児を中心に夏季に見られる疾患で、その中でも2歳以下が半数を占めます。国内における流行のピークは夏季ですが、冬に発生が見られることもあります。
飛沫感染、接触感染などで感染します。
特に、子ども同士の生活距離が近く、濃厚な接触が生じやすい環境である保育施設や幼稚園などでは注意が必要です。衛生観念がまだ発達していないことから、施設の中で手足口病の患者が発生した場合には、集団感染が起こりやすくなってしまいます。
接触感染を予防するために、流水と石けんで十分に手洗いすることが重要です。タオルの共用はしてはいけません。
また、手足口病が治った後でも、比較的長い期間、便などからウイルスが排泄されることがあるため、排泄物を適切に処理することも大切です。
特異的な治療法はなく、対症療法が中心となります。発熱に対しては、通常は解熱剤なしで経過観察します。ただし、2日間以上発熱が続いたり、頭痛・嘔吐を伴う場合には髄膜炎や脳炎などに注意する必要があります。
口腔内病変に対しては、刺激にならないように柔らかく、薄味の食べ物を摂取しますが、何よりも大切なことは、水分不足にならないようにすることです。そのため、経口補水液などで水分を少量ずつ頻回に摂取するようにしてください。
【出典】国立感染症研究所感染症疫学センター「手足口病とは」を加工して作成
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大野裕先生
精神科医
一般社団法人認知行動療法研修開発センター 理事長
1950年 愛媛県生まれ。
1978年 慶応義塾大学医学部卒業と同時に、同大学の精神神経学教室に入室。その後、コーネル大学医学部、ペンシルバニア大学医学部への留学を経て、慶応義塾大学教授(保健管理センター)を務めた後、2011年6月より、独立行政法人国立精神・神経医療研究センター 認知行動療法センター センター長に就任、2015年4月顧問となる。
近年、精神医療の現場で注目されている認知療法の日本における第一人者で、国際的な学術団体Academy of Congnitive Therapy の公認スーパーバイザーであり、日本認知療法学会理事長。一般社団法人認知行動療法研修開発センター 理事長、日本ストレス学会理事長、日本ポジティブサイコロジー医学会理事長、日本うつ病学会や日本不安障害学会の理事など、諸学会の要職を務める。