2023年11月13日~11月19日に全国で流行が報告された感染症情報をお届けします。
定点あたりの報告数は2週連続で増加しました。
▼都道府県別の上位3位
1.香川県 2.大分県 3.福岡県
定点あたりの報告数は2週連続で増加し、過去5年間の同時期と比較してかなり多くなっています。
▼都道府県別の上位3位
1.鳥取県 2.宮崎県 3.石川県
定点あたりの報告数は増加が続いており、過去5年間の同時期と比較してかなり多くなっています。
▼都道府県別の上位3位
1.北海道 2.福岡県 3.富山県
【出典】国立感染症研究所 感染症週報を加工して作成
夏の時期に流行しやすい小児の感染症の1つに「咽頭結膜熱」があります。プールでの感染が多いことから「プール熱」とも呼ばれます。
通常6月頃から徐々に流行しはじめ、7~8月にピークを迎えますが、今年は11月以降も患者報告数が増加しており、流行の拡大が見られます。「咽頭結膜熱(プール熱)」について正しく理解し、感染を防ぎましょう。
アデノウイルスによる感染で潜伏期間は5~7日とされています。
発熱(38~39度)、頭痛、食欲不振、全身の倦怠感とともに、のどの痛み、結膜炎にともなう結膜充血、眼痛、流涙などの症状が出ます。
通常、飛沫感染あるいは手指を介した接触感染であり、結膜や上気道から感染します。
プールを介した場合には、汚染した水から結膜に直接ウイルスが侵入すると考えられており、タオルの共用によっても感染することがあります。
・アデノウイルスはアルコール消毒が効きにくいため、流水と石鹸によるこまめな手洗い、うがいをしましょう。
・感染者との密接な接触は避けましょう(タオルの共用は避けましょう)。
・衛生を保つため、プールからあがったときは、シャワーを浴び、うがいをしましょう。
咽頭結膜熱は高熱が比較的長く(5日前後)続くことがあります。特別な治療法はなく、対症療法が中心となります。吐き気、頭痛の強いとき、せきが激しいときは早めに医療機関に相談してください。
なお、学校安全法では、第二種伝染病に位置づけられており、主な症状が消退した後2日を経過するまで出席停止とされています。ただし、病状により伝染の恐れがないと認められたときはこの限りではありません。
【出典】厚生労働省「咽頭結膜熱について」、国立感染症研究所感染症疫学センター「咽頭結膜熱とは」を加工して作成
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大野裕先生
精神科医
一般社団法人認知行動療法研修開発センター 理事長
1950年 愛媛県生まれ。
1978年 慶応義塾大学医学部卒業と同時に、同大学の精神神経学教室に入室。その後、コーネル大学医学部、ペンシルバニア大学医学部への留学を経て、慶応義塾大学教授(保健管理センター)を務めた後、2011年6月より、独立行政法人国立精神・神経医療研究センター 認知行動療法センター センター長に就任、2015年4月顧問となる。
近年、精神医療の現場で注目されている認知療法の日本における第一人者で、国際的な学術団体Academy of Congnitive Therapy の公認スーパーバイザーであり、日本認知療法学会理事長。一般社団法人認知行動療法研修開発センター 理事長、日本ストレス学会理事長、日本ポジティブサイコロジー医学会理事長、日本うつ病学会や日本不安障害学会の理事など、諸学会の要職を務める。