知っ得!薬剤師コラム

2018.05.07

禁煙に一歩踏み出す時は今!5月31日は世界禁煙デー

5月31日からの一週間は「世界禁煙デー」週間です。WHOが始めた取り組みで、日本も参加しています。本年は、「受動喫煙のない社会を目指して~たばこの煙から子ども達をまもろう~」をテーマに、普及・啓発活動を行っています。

日本において、喫煙率は年々減少傾向にあり、最近は分煙なども進んでいます。しかし後述の通り、いまだに男女共それぞれ一定の喫煙率があります。

そこで今回は皆さんに、少しでも禁煙に興味を持ち、意識を傾けていただけるよう、禁煙するメリットや方法などについて、お話ししたいと思います。

※WHO…世界保健機関 (World Health Organization)。「全ての人々が可能な最高の健康水準に到達すること」を目的として設立された国連の専門機関(1)

若い人はもう吸わない!?今の日本の喫煙率とは

日本における喫煙率を男女別に見ると、男性の方が喫煙率が高く、1965年頃で20歳以上の全年代を平均して約84%(2)と、多くの男性が喫煙していました。2017年時点では約28%にまで減っていますが、数にしていまだ約1,400万人(2)の成人男性が喫煙しています。

そんな中、20歳代の男性は、2005年を起点とした場合の2017年時点の喫煙率が、約52%から2分の1以下の約23%となり、どの世代よりも下がっています。

一方、女性の喫煙率は1965年頃から2017年に至るまで、平均して約9~15%(2)と大きな変化はありません。しかしその中でも特に20歳代の若年層においては、1995年頃の約23%をピークに、2017年時点ではその3分の1以下の7%と、大きく減少しています。

図は参考資料2より「成人喫煙率(JT全国喫煙者率調査)」を基に加工して作成

肺がんだけではない!喫煙のデメリット

ではなぜ喫煙は良くないのでしょうか。これまで耳にしたことはあるかと思いますが、ここで今一度、そのリスクは何なのか、押さえておきましょう。

タバコの煙には、ニコチンや、発がん物質、一酸化炭素など様々な有害物質が含まれています(2)。喫煙によって健康に様々な悪影響を与えることが明らかとなっています。

例えば喫煙者本人の場合、肺がんは非喫煙者と比較して発症するリスクが4.5倍高まります。しかしそれだけではなく、他にも、心筋梗塞、狭心症、脳卒中、喘息、糖尿病など多くの疾患の発症リスクが高まります(3)

また、妊婦の喫煙の場合は、低体重児、早産、妊娠合併症のリスクが高まるとされています(2)

さらに、喫煙者本人のみならず、ご家族など周囲の非喫煙者にも悪影響が生じます。頭痛、流涙(涙が多く出る症状)、肺がん、心筋梗塞、狭心症、脳卒中などの発症リスクが上昇することが報告されています (3)

健康面だけではない、禁煙の嬉しいメリットって?

喫煙によって御本人ならびに周りの方に、様々な病気の発症リスクが高まりますので、止めるだけで、大きなメリットが生まれます。

また、疾病予防以外にも、禁煙することで、下記のような「もったいない」生活を改善できるというメリットもあります(3)

表は参考資料3を基に加工して作成

一歩踏み出す時!禁煙にトライ

禁煙をしようと思っている方に対し、厚生労働省が「禁煙をスムーズにさせるためのコツ」を紹介しています(4)。禁煙開始日を設定し、準備する方法です。

また、禁煙で難しいことの1つが、タバコの中に含まれるニコチンによる離脱症状です。これはタバコを吸いたくなる気持ちが高まるといった禁断症状で、禁煙開始2~3日をピークに、10~14日続くとされています(4)

そこで、禁煙を開始する前に、吸いたい気持ちになった時に行う対処法を考えておくと良いでしょう。下表はその例です。


表は参考資料4を基に加工して作成

ニコチンによる禁断症状を和らげる方法として、禁煙補助剤の利用があります。 貼り薬のニコチンパッチや飲み薬のバレニクリンなどがあり、条件はありますが、共に健康保険でもカバーされます

また、一般用医薬品(処方せんがなくても購入できる市販薬)として、同様にニコチンのガムや貼り薬が販売されています。禁煙成功率はこうした禁煙補助剤を利用した方がより高いことが報告されています(3)

このような禁煙補助剤の利用については、ぜひ薬剤師にお尋ねください。使用法や注意点など、ご不明な点や不安をクリアにしていくサポートができます。

禁煙を成功させることは、喫煙の習慣のみならず、ニコチンによる離脱症状などもあり、なかなか難しいかもしれません。しかし、禁煙によって、喫煙者ご自身のみならずご家族など周りの皆さまに大きなメリットが生まれます。

また、禁煙の準備をしたり、禁煙補助剤を用いることで、より禁煙の成功につながります。 今この記事をご覧になっている方、ぜひこの「世界禁煙デー」をきっかけに、禁煙にトライしてみませんか?

身近なところでは、薬局の薬剤師に相談すると、薬についてわからないことや不安があれば、答えてもらえます。

一番はご自身のために、そしてご家族など周りの大切な人のためにも、この記事が禁煙へ一歩踏み出すきっかけになれば幸いです。

参考資料

(1)厚生労働省「日本とWHO」
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/
bunya/hokabunya/kokusai/who/index.html
(2)公益財団法人 健康・体力づくり事業財団「厚生労働省の最新たばこ情報」
http://www.health-net.or.jp/tobacco/ product/pd090000.html
(3)厚生労働省保健局 「禁煙支援マニュアル(第二版)」
http://www.mhlw.go.jp/topics/tobacco/
kin-en-sien/manual2/dl/manual2.pdf
(4)厚生労働省「e-ヘルスネット: 禁煙の準備」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/ information/tobacco/t-06-002.html

※当コンテンツ内の画像はイメージです。

「知っ得!薬剤師コラム」では日本調剤の薬局でお配りしている健康情報誌 日本調剤新聞「かけはし」から情報を抜粋して掲載しています。